妊活中は、妊娠している可能性があることを考えると、色んなことに敏感になってしまいますよね。
今回は、そんな妊活中に結婚式にお呼ばれされた際のアドバイスを紹介していきます。
妊活中の長距離移動や披露宴での食事、感染対策など一つずつ丁寧に説明していきます。
- 妊活中の結婚式参列で不安なこと
- 妊活中の長距離移動に対するアドバイス
- 結婚式参列による感染症の不安に対するアドバイス
- 披露宴での食事に対するアドバイス
- 妊娠していた場合の体調に対するアドバイス
- 妊活中の結婚式の招待に対する返事
- まとめ
妊活中の結婚式参列で不安なこと
妊活中は、「妊娠している可能性がある」と思うと、色んなことが不安になりますよね。
そんな妊活中、結婚式にお呼ばれすると、多くの人が以下のような不安を抱きます。
- 結婚式場までの長距離移動
- 感染症
- 披露宴での食事
- 体調
実際、私も同じような不安を抱えることが多くありました。
そして、不安な状態で放っておけなかったため、これらの不安なことについて産婦人科の主治医の先生にアドバイスを求める、自分で詳しく調べるなどしてみました。
今回は、主治医の先生に聞いた話や自分で調べた情報をもとに、それぞれの不安に対してのアドバイスを書いていきたいと思います。
妊活中の長距離移動に対するアドバイス
まずは「妊活中の長距離移動」について、移動手段別に紹介します。
飛行機での移動
結婚式場まで長距離の移動が必要で、飛行機に乗ならければならない場合があるかもしれません。
「飛行機への乗車」となると、金属検査や気圧変化、放射線など、不安になる要素がたくさんあるのではないでしょうか。
一つずつ紹介していきます。
搭乗前の金属検査
まず、搭乗前の金属検査についてですが、金属探知器は電磁波を使用して金属を検出するものであり、X線等の放射線は照射されません。
空港によってはボディスキャナーと呼ばれる機械で検査をする場合がありますが、微弱な電波を照射し、その反射電波を受信することで検知するものであり、こちらもX線等の放射線を照射するものではありません。
よって、妊活中で妊娠している可能性があったとしても、搭乗前の金属検査によって母児に障害を与える可能性はないと考えられます。
機内での気圧変化
次に、気圧変化についてです。
飛行機は空の上を高速で移動する乗り物だということを考えると、気圧の変化やそれに伴う酸素濃度の低下について不安に思う方も多いでしょう。
実際、機内は気圧を調節する装置とエアコンにより地上に近い環境を作り出していますが、地上と全く同じ環境ではありません。
水平飛行中の高度における機内気圧は約0.8気圧程度で、標高約2000mと同じ環境です。
そして、気圧の低下に伴い、機内の酸素分圧は地上の約80%となります。
これらの気圧の変化と酸素濃度低下によるトラブルとしては、以下のものが考えられます。
航空機内の環境について(お手伝いを希望されるお客さまへのご案内) - JAL
- 子宮の圧迫
- つわりの悪化
子宮の圧迫により心配されるのが、流産への影響です。
しかし、客室乗務員の流産率がその他の職業の女性と大差ないことから、影響はないと考えられます。
しかし、つわりの悪化については、もしも妊娠していて上空で体調が悪くなったら、着陸するまでの間どうすることもできません。
客室常務員も、妊娠が発覚した場合、その日から乗務停止となります。
そのため、気圧の変化から考えると、妊活中で妊娠が確定していない時期に飛行機に乗ることは問題ないと考えられますが、妊娠が確定した場合は、つわりが辛い時期でもあるので乗らない方が無難だといえます。
上空での放射線被ばく
上空での放射線については、地上に比べて大気による保護が少なくなることから、その分、被ばく量が多くなります。
実際、どの程度の被ばく量になるのかを、以下の表に記載します。
条件 | 被ばく量 |
---|---|
日常生活(世界平均) | 年間約2.4mSv |
日常生活(日本平均) | 年間約2.1mSv |
飛行機(国内線1回の飛行) | 約0.003mSv |
飛行機(日本-ニューヨーク間往復) | 約0.19mSV |
胸部X線検査(1回) | 約0.06mSv |
国立広島・長崎原爆死没者追悼平和祈念館 平和情報ネットワーク
環境省「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(平成26年度版)」第1章 放射線の基礎知識と健康影響
ところで、妊娠していた場合、どの程度被ばくをすると胎児に影響があるのでしょうか。
環境省のホームページでは、「妊娠期間中に100mSv以下の被ばくで胎児に影響が出ることはない」とされています。
環境省_QA3-4 私は妊婦です。胎児への放射線の影響はありませんか。
上記の表をみると、一往復飛行機に乗る程度であれば、日常生活での年間の被ばく量がわずかに増える程度であり、100mSvを超えることはないと考えられます。
どうしても心配だという方は、こちらのサイトで飛行機での被ばく量予想値を確認できますので、搭乗予定日と出発地、到着地を入力してチェックしてみてください。
「航路線量計算結果」の「航路線量」の部分で、被ばく量を確認することができます。
「航路線量」が2つありますが、「〇.〇-〇.〇μSv」と記載されている方が下限値と上限値の範囲、「〇.〇μSv」のように1つの値が記載されている方が代表高度での被ばく量を表しており、代表高度での被ばく量を参考にすれば良いかと思います。
また、単位が「mSv」ではなく、その1/1000の「μSv」であることにも注意してください。
話が長くなってしまいましたが、結婚式参列のために往復する程度では、胎児に影響が出るとされる100mSvを超えることはまずありません。
そのため、上空での放射線被ばくを過剰に心配しなくても大丈夫です。
電車での移動
結論から言うと、妊娠していた場合であっても電車に乗ることは問題ありません。
ただ、電車に乗るうえで気を付けたいことはいくつかあるので、以下に紹介していきます。
座れない可能性を考える
新幹線など指定席がある電車であれば、事前に予約しておくことで、座席を確保することができます。
一方、指定席がない電車では、混雑具合によっては席に座れない可能性もあります。
立っている場合、急ブレーキやカーブで車内が揺れ、転倒する恐れがあります。
また、結婚式に参列する予定であれば、ヒールがあるような不安定な靴を履いている可能性もあるかと思います。
電車の急な揺れにも対応できるよう、結婚式参列用のヒールとは別に、踏ん張りがきく運動靴のような履物で乗車すると安心です。
不特定多数の人と同乗するリスクを考える
電車では、不特定多数の人と同乗することになります。
特に通勤ラッシュや帰宅ラッシュの時間帯と重なると、多くの人と密接することになります。
もし、同乗している人の中に風邪をひいている人がいた場合は、うつるリスクがあります。
また、季節によっては、インフルエンザなどの感染症が猛威をふるっていることもあります。
そのため、電車に乗る際はマスクをするなど感染対策を徹底しましょう。
体調不良に対応できる余裕をもつ
妊娠していた場合、乗車中に具合が悪くなる可能性があります。
そうしたときに、移動の途中であっても下車して休める程度の余裕を持って行動しましょう。
普段から乗り物酔いしやすい方は、特に注意しましょう。
結婚式参列による感染症の不安に対するアドバイス
結婚式に参列すると、少なからず感染症のリスクはあります。
例えば、何らかの感染者が爆発的に増えており、普段の生活でも他人と関わる機会を極力少なくしているような場合は、事前に事情を伝え、お断りするのが安心です。
しかし、そういった場合でなければ、普段の通勤や帰省、友人との食事などとリスクはさほど変わりません。
ただし、以下のような感染対策をしっかりとしたうえで、参列しましょう。
- マスクをする
- こまめに手を洗う
- アルコール消毒をする
マスクについては、自分だけしかつけていない場合は少し気まずいかもしれませんが、正直に妊娠している可能性を伝えるか、「大事な予定が控えている」、「花粉症対策」などと言っておきましょう。
披露宴での食事に対するアドバイス
披露宴の食事については、妊娠が確定していれば「妊娠中です」と伝えてアルコールや生ものを避けてもらえます。
しかし、妊娠が確定していない時点で主催者側に伝えるのは、勇気がいることだと思います。
もし、主催者との間柄が、何でも打ち明けられるような関係であれば、正直に伝えれば良いと思います。
しかし、そうでない場合は自分で避けた方が良い食べ物を判断しましょう。
一般的に、妊娠している場合、食べない方が良いとされている食べ物は以下のようなものです。
- アルコール
- カフェイン
- 生魚・生の魚卵
- 生卵
- 生肉
- ナチュラルチーズ
カフェインを含むコーヒーなどは、結婚式以外のところでエナジードリンクやコーヒーを飲んでいなければ、披露宴で一杯くらい飲んでも問題ない量だと考えられます。
尚、妊活中のカフェイン摂取量については、こちらの記事で紹介しています。
また、ステーキのようなメインディッシュの場合、中身がレアだからと言って残すことにためらいを感じるかもしれません。
生肉が妊娠中に良くないとされている理由は、トキソプラズマという寄生虫への感染リスクがあるためです。
トキソプラズマは加熱で死滅するため、焼き方を聞いてもらえる場合は、「ウェルダン」で注文しておくと安心です。
既にレアで焼かれたものが出てきた場合、牛肉であればトキソプラズマがいる可能性は稀で、付着していたとしても肉の表面につくので、表面が十分に焼けていれば、そこまで心配する必要はありません。
一方、海外での結婚式に参列する場合、自分では何が使われているのか分からないような場合もあります。
そのため、海外の場合は、事前に主催者に妊活中で妊娠の可能性がある旨を伝えておくべきです。
妊娠していた場合の体調に対するアドバイス
妊娠していた場合、身体を冷やすのは良くないため、体温調節できる羽織物を持っていくのがおすすめです。
また、妊娠していると、体調が優れなくなってしまうことがあります。
そのため、タオルやティッシュ、エチケット袋なども持っていくと安心です。
個人差はありますが、何かを食べていないと吐き気がするタイプのつわりの人もいるので、フリスクなどを持っていくのも良いかもしれません。
ちなみに、フリスクにはカフェインが含まれておらず、妊娠中でも安心して食べることができます。
クラシエ フリスク(FRISK)40粒 ペパーミント12個セット
また、体調不良で病院に行きたくなったときのために、事前に式場近くの産婦人科を調べておくと安心です。
妊活中の結婚式の招待に対する返事
ここからは、妊活中の結婚式の招待に対する返事について、考えていきます。
とりあえず出席にする
ここまで紹介してきたように、妊娠が判明していない時点以前の参列であれば、事前に準備をしておくことで参列できると考えられます。
しかし、招待に返事をする段階では妊娠が判明していなくても、それから結婚式当日までの間に妊娠が分かる可能性もあります。
妊娠が判明した場合は、そのときの自分の体調などを考えながら、慎重に決めなければなりません。
では、招待にはどう返事をするのが良いのでしょうか。
結論としては、招待された時点で妊娠していないのであれば、「出席」で返事をして良いと思います。
もし結婚式までに妊娠をしたら、主催者に事情を説明し、欠席とさせていただきましょう。
実際、結婚式の参列については、「出席」と返事をしていても、「仕事の関係でどうしても行けなくなった」、「感染症にかかって行けなくなってしまった」など、急な欠席連絡はあるものです。
それにより主催者側を不快な気持ちにさせてしまうのではないかと悩まれる方もいるかもしれませんが、それは、欠席しなければならなくなった際の対応の仕方によって決まるものだと思います。
欠席に変更する場合の対応
「欠席」をすることに決めたら、すぐに主催者側に連絡をしましょう。
結婚式が近づくにつれ、席札や引き出物など、準備が進められていきます。
そのため、余分な準備をさせてしまわないためにも、できる限り早めに連絡しましょう。
また、欠席する場合でも、ご祝儀やお祝いを用意し、祝福の気持ちを形にして伝えることが大切です。
特に、結婚式直前に欠席の連絡をしなければならなくなった場合は、既に自分用の料理や引き出物などの手配も済んでしまっている可能性が高いため、必ず渡すようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
妊活中の結婚式のお呼ばれについては、「大切な妊活」と「大切な人の結婚式」どちらも重要だからこそ、悩んでしまう問題です。
今回の記事が、少しでもお役に立てることを祈っています。