こんにちは。
今回のテーマは、「妊活中の運動」。
運動には比較的強度が弱いものから強いものまで様々ありますが、妊活に良い影響のある運動は何なのでしょうか。
また、運動によっては妊活に悪い影響があったりするのでしょうか。
詳しく紹介していきますね。
運動が妊活に与える影響
妊活中、運動をした方が良い気もするけど、運動の種類によってはリスクになることもあるのかな?
実は、運動の強度によって、妊活への影響が異なることが知られているよ!
ある研究によると、週に5時間以上の激しい運動をする女性は、全く運動をしない女性に比べて妊娠率が34%低かったと報告されています。
その一方で、週に5時間以上穏やかな運動をする女性は、週に1時間以下の女性に比べて妊娠率が18%高かったと報告されています。
https://www.babyandme.jp/wp2020/wp-content/uploads/2018/03/YFP_1605.pdf
また、適度な運動をすると、卵巣の血流が良くなって卵巣に栄養が行き届きやすくなるため、質の高い卵子が育ち、良い排卵に繋がると言われています。
このように、運動はその強度により妊活への影響が変わります。
上記の研究結果をまとめると、激しい運動は妊娠率を下げますが、その一方で、適度な運動は妊娠率を上げることが分かります。
そこで今回は、妊娠率を上げる適度な運動とは具体的に何なのか、そして、その運動による具体的なメリットとはどんなものなのかについて紹介していきます。
卵子の質を上げるためにおすすめの運動4選
ウォーキング
妊活中の運動として効果的だと言われているのは、有酸素運動です。
その有酸素運動の代表格とされるのが、ウォーキングです。
ウォーキングをすることで、血流が良くなる他、基礎代謝もアップします。
ウォーキングで良いなら、特別な道具を用意する必要がないからありがたい!
運動する時間がつくれなくても、通勤や買い物で歩くときに意識して大股で歩くようにするだけでも効果があるよ!
ウォーキングの効果を上げたい場合は、以下のポイントをおさえましょう。
効果的なウォーキングのポイント
- 大股で歩く
- 一定の速度で歩く
- 20分以上歩く
スロースクワット
妊活中に筋トレをする場合、スロースクワットが特におすすめです。
理由としては、股関節付近の筋肉を動かすことで、自然と子宮や卵巣辺りの血流が良くなるということ、さらに、身体で一番大きな筋肉である太ももの筋肉を動かすことで、効率良く筋力アップを狙うことができるからです。
筋力が増えることで、基礎代謝が上がるなど妊活に嬉しい効果が期待できます。
スロースクワットのやり方は以下の通りです。
スロースクワットのやり方
- 手を組み、肘を肩の高さまで上げ、肩幅よりやや広い足幅で立つ
- 息を吸いながら5秒間かけ、股関節90°膝90°になる位置までゆっくり下げる
- この位置で5秒間キープ
- 息を吐きながら5秒間かけ、元のポジションへゆっくり戻る
※1セット15~20回を目安に、1日1~5セット行うのが理想的です。
股関節と膝を曲げるときは、背中を丸めないように目線をやや上に向けるのがポイントだよ!
慣れないうちは辛い…!でも、妊活のために頑張るよ!
ヨガ
ヨガは、体のゆがみを正し、体を温めることによって妊娠しやすくなる体づくりに繋がります。
ゆっくりとした動きと呼吸法を取り入れ、全身の筋肉を無理なく使い、血流を良くする効果やホルモンバランスを整える効果が期待できます。
ホルモンバランスを整えることは、リラックス効果にも繋がるので、精神面でも良い影響が期待できます。
妊活のための「妊活ヨガ」を行っているところもあるので、興味がある方はぜひ調べてみてくださいね。
ヨガなら、運動が苦手でも楽しく取り組めるのがいいね!
一度覚えればいつでもできるから嬉しいね!
ストレッチ
外を歩く習慣がなく、スクワットやヨガなどを習慣化するにはハードルが高いと感じる方は、空いた時間にストレッチをすることから始めてみてはいかがでしょうか。
ここでは、妊活中に特におすすめの3種類のストレッチをご紹介します。
お尻のストレッチ
お尻が凝り固まってしまうと、子宮や卵巣への血流が滞る他、子宮が下垂しやすくなります。
そのため、お尻のストレッチでほぐしていくことで、妊娠しやすい体づくりに繋がると言われています。
以下がお尻のストレッチの手順です。
- 仰向けに寝て、肩幅に開いた脚の膝を立てる
- 手を腰の下に入れ、両方の手の平が床につくようにする
- 鼻で息を吸いながらお尻を持ち上げ、口で息を吐きながら元の位置に戻すことを10回繰り返す
- 両手を腰の下から出してまっすぐ伸ばし、手の指先に触れるまでかかとを引き寄せる
- 鼻で息を吸いながら、今度は腰からお尻までを持ち上げ、自然な呼吸をしながら30秒キープする
- 口で息を吐きながら元の位置に戻す
血流を促すストレッチ
このストレッチは、血流を促すことで着床しやすい子宮と卵巣を目指すことができます。
以下が血流を促すストレッチの手順です。
- 四つん這いになり、両足の親指と親指を引き寄せ、膝を軽く開いた状態でかかとの上にお尻をのせる
- 両肘を床に付けて上半身を倒す
- 両手を前方に伸ばし、顔と肩を床につけて30秒キープする
ストレッチなら毎日の生活に取り入れられそう!
次は、夫婦で一緒にできるストレッチを紹介するよ!
夫婦で一緒にできるストレッチ
こちらは夫婦で一緒にできるストレッチです。
血流も二人の仲の良さもアップさせていきましょう!
以下か夫婦で一緒にできるストレッチの手順です。
- 二人で背中合わせになって座る
- 肩幅に開いた脚の膝を立て、両手をつなぐ
- 両腕を広げながらゆっくりと真上に上げ、10秒キープしたら元に戻すことを4回繰り返す
- 両腕を真上に上げ、一人が相手に身体をあずけるように沿った状態で10秒キープすることを、交互に1回ずつ行う
一緒に誘い合ってストレッチすれば、継続できそうだね!
身体が温まっているお風呂上りに行うと効果的だよ!
適度な運動が妊活に与える5つのメリット
ここからは、妊活中に適度な運動をすることで得られるメリットを紹介していきます。
血流が良くなり卵子の質が向上する
女性は、生まれたときから、卵巣に卵子のもとが眠っています。
それが育って毎月排卵していますが、排卵する卵子の質を高めるためには、卵巣の状態を良好にしておくことが重要です。
運動をすると、卵巣の血流が良くなって卵巣に栄養が行き届きやすくなるため、質の高い卵子が育ち、良い排卵に繋がります。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam/66/3/66_180/_pdf/-char/ja
ちなみに、卵巣の血流が良くなったかどうかは、どうしたら分かるのかな?
全身の血流が良いときに卵巣の血流も良くなるので、運動をして全身が温かくなっていたら、卵巣の血流が良くなっていることになるよ!
なるほど!
逆に、手足の末端が冷たくなっているときなどは、卵巣の血流も悪くなっているということだから、注意が必要だね!
着床環境の改善
運動をして卵巣の血流が良くなると、着床環境を良くすることにも繋がります。
排卵後に受精卵が着床する子宮内膜は、血液により運ばれるホルモンによって厚みが増し、着床に適した状態になります。
しかし血流が悪くなると、十分な量のホルモンが行き渡らず子宮内膜が厚くなりにくいため、受精卵が着床しづらくなってしまいます。
他にも、運動をして卵巣の血流が良くなると、不妊治療で使う排卵誘発剤などの薬の反応が良い、とも言われているよ!
卵巣の血流を良くしておくことは、妊活でとても重要だね!運動しなければ…
基礎代謝が上がり体重管理がしやすくなる
基礎代謝とは、内臓の活動や体温の維持など、生命の維持に最低限必要なエネルギーのことです。
運動不足によって筋肉が減少すると、基礎代謝が低下し、肥満になりやすくなります。
肥満になると、妊娠の確率を低下させ、妊娠できた場合にも母体と胎児に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、痩せすぎでも同様の悪影響があるとされており、妊活中に適切な体型を維持することがとても重要だと言えます。
妊活中の自分に適切な体型は何を基準にするのが良いのかな?
まずはBMIを計算してみて、今の自分の体型を確認しよう!
BMIは、以下の式で求められます。
BMI = [体重(kg)] ÷ [身長(m)× 身長(m)]
BMIが分かったら、以下の表で自分の体格区分を確認できます。
BMI | 体格区分 |
---|---|
18.5未満 | 低体重(やせ) |
18.5以上25.0未満 | ふつう |
25.0以上30.0未満 | 肥満(1度) |
30.0以上 | 肥満(2度以上) |
体格区分が「ふつう」が妊活においても理想なので、「ふつう」を維持する、または「ふつう」になるよう運動や食事に気を配るようにして、妊活に良い体型維持を心掛けましょう。
ストレスの解消
妊活中は、妊娠できないことへの焦りなど、ストレスが溜まりがちです。
ストレスがかかると、体内で活性酸素の産生が過剰になり、酸化ストレスが引き起こされます。
酸化ストレスは細胞が老化する原因となり、精子や卵子の質を低下させることにも繋がります。
そのため、ストレスを解消することが重要になるのですが、適度な運動は、ストレスの解消にも効果的であるとされています。
運動すると、気分転換にもなって気持ちも前向きになりそうだね!
自分に負担にならず、気持ちよく行える運動を選ぶと効果的だよ!
生活習慣病の予防
生活習慣病の中でも、肥満や糖尿病は、妊娠高血圧症候群や糖尿病合併妊娠などの原因となり、赤ちゃんにもリスクが及びます。
運動は生活習慣病の予防や改善に効果的であるため、妊活中に運動を始めることで、これらのリスクを低くできます。
また、適度な運動をすることで、性ホルモンのバランスが整うとも言われています。
妊活中の運動で気を付けたいこと
ここからは、妊活中の運動で気を付けたいことを紹介していきます。
過度な運動は避ける
最初に紹介した通り、ある研究によると、週に5時間以上の激しい運動をする女性は、全く運動をしない女性に比べて妊娠率が34%低かったと報告されています。
https://www.babyandme.jp/wp2020/wp-content/uploads/2018/03/YFP_1605.pdf
また、他の研究でも、過度な運動を一日60分程度の過度な運動は、妊娠率を低下させると報告しています。
Exercise as a risk factor for infertility with ovulatory dysfunction. - PMC
そのため、運動量が過剰にならないよう気を付けましょう。
怪我に気を付ける
妊活中は特に怪我に注意しましょう。
骨折などの大怪我の場合、全治1ヶ月〜3ヶ月、完治となれば半年以上は必要となることもあります。
怪我をしている状態ではパートナーと妊活に励むこともできません。
運動中は、転倒や落下、接触などのリスクもあるため、妊活中は特に意識して気を付けましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
適度な運動は、妊娠しやすい身体作りに役立ちます。
ぜひ、ご自身の妊活のために取り入れてみてくださいね。